休職中の連絡頻度、社会保険料、住民税|3 休職中|メンタル不調による休職|つくる
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予防 自己点検10問 Switch⇄
時間軸 0 初期異変 1 初動 2 休職前の面談 3 休職中 4 試し出勤 5 復職判定 6 復職直後 7 再休職 8 雇用終了 9 まとめ

Chapter 3 — On leave

休職中休職中の連絡頻度、社会保険料、住民税

休職中に、何より大事なのは、療養に専念してもらうことです。でも、事務的なことも多くあります。

そしてなにより「復職の意思」を確認すること。

いま読んでいるのは 経営者・人事の視点 休職規程にはふたつの側面があります。

場面 1 / 共通の事実

ノーワーク・ノーペイ

休職に入ると、多くの場合、ノーワーク・ノーペイの原則に基づき、賃金は支給されません。代わりに、要件にあてはまれば、健康保険から傷病手当金が出ます。金額は、給与のおよそ3分の2です。

経営者・人事

ここで見落とされやすいのが、タイミングです。

傷病手当金は、後払いです。休んだ期間の後から申請します。〇月〇日~〇月〇日まで労務不能であったことの医師の証明と、賃金が支払われていなかったことの会社の証明が要ります。なので、お休みをした後の最初の入金までに1〜2ヶ月かかることが珍しくありません。

例:4月1日〜4月30日分の手当金を申請したい場合、申請できるのは5月1日以降です。「給与の締め日」に合わせて1ヶ月ごとに分割して申請するのが一般的です。
※仕事を休んだ最初の3日間(連続)は「待期期間」となり、手当金の支給対象外です。4日目以降の休業日から支給対象となります。

会社の側でやることは2つです。

① 申請書の渡し方を決めておく

通院時に医師から証明書をもらう→会社との定期面談→書類の発送、など、流れを決めておくとよいでしょう。

② 会社が書く欄を、遅らせない

受領した書類で速やかに申請する。

働く方

給与は止まりますが、健康保険から傷病手当金が出ます。

金額は、おおよそ給与の3分の2です。人によって変わるので、正確な額は健康保険の窓口で確認できます。知っておいてほしいのは、すぐには振り込まれないということです。

休んだ期間が終わってから申請する仕組みです。医師の証明と、会社の証明も要ります。最初の入金まで1〜2ヶ月かかることがあります。その間の生活費を、先に見ておいてください。

それから、期間の上限があります。通算で1年6ヶ月です。「休み始めてから1年6ヶ月」ではなく、実際に受け取った月数の合計で数えます。

場面 2 / 共通の事実

社会保険料と住民税の徴収

社会保険料と住民税は、休職中も毎月発生します。私傷病による休職に、減額はありません。

経営者・人事

休職中で無給状態になっても、「社会保険料(健康保険・厚生年金)」と「住民税」の支払いは免除されず、毎月発生します。

実務では、以下のいずれかの方法を休職開始時に本人と合意して決定します。

方法①:毎月、会社の指定口座へ振り込んでもらう(推奨・最も一般的)

会社が毎月納付した(または納付する)金額を計算し、本人が毎月指定日までに会社の口座へ振り込む方法です。こちらが一般的です。

方法②:傷病手当金から相殺する(受取委任の手続きが必要)

健康保険から支給される「傷病手当金」の受取口座を一時的に「会社口座」にし、会社が社会保険料等を差し引いた差額を本人の口座へ振り込む方法です。

※本人から「傷病手当金受領受任および相殺に関する同意書」を取得しておく必要があります。

方法③:住民税のみ「普通徴収(自分で納付)」に切り替える

住民税についてのみ、会社での天引き(特別徴収)をやめ、自治体から本人へ直接納付書を送ってもらう(普通徴収)手続きを行う方法です。

※2ヶ月ほどの休職の場合、手続きの途中で変更になる場合があります。半年以上になる場合は検討した方がいいです。

働く方

休職中により無給である場合でも、社会保険料は変わらず発生します。

① 社会保険料

休職中も、健康保険と厚生年金に変更はありません。本人が負担する分は、引き続き発生します。給与から引けないので、別の方法で払うことになります。

どう払うかは、会社と相談です。毎月振り込むのか、傷病手当金と精算するのか。復職後にまとめて精算する場合、大きな金額となるので、注意が必要です。

② 住民税

休職中でも住民税は支払う必要があります。社会保険料と同じように、会社から案内された方法で振り込んでいただきます。

ただし、休職が長期に続く場合は、会社から市区町村へ切り替えの手続きを行い、「普通徴収」となって、ご本人が納付書などで直接支払う場合があります。

「休職したら住民税がなくなる」ということではありません。支払い方法が変わる場合がある、と覚えておきましょう。

どちらも、事前に金額を確認しておいてください。

場面 3 / 共通の事実

休職中の評価と賞与

休職中も、評価の時期と賞与の時期は来ます。
どう扱われるかは、会社の規程で決まっています。

経営者・人事

① 人事評価

査定期間の全部または一部を休んでいた場合、評価のしようがありません。ここで、2つのやり方が分かれます。

—評価の対象外とする(評価をつけない)
—最低評価をつける

後者は避けてください。

見た目は同じでも、影響がまったく違います。最低評価は記録に残ります。そして、復職した後の昇給、昇格、次の評価の基準に、何年も影響し続けます。働いていないから評価できない、というだけの話です。能力が低いという記録にしないでください。

② 定期昇給

規程を確認してください。「休職期間は勤続年数に算入しない」と書いてある場合があります。書いてあるなら、そのとおりにします。書いていない場合、復職後まで「昇給保留」とするのが無難です。復職してから遡及扱いにしてください。

③ 賞与

まず確認するのは、支給の条件です。

「支給日に在籍する者に支給する」と書いてある場合、休職中の社員は条件を満たします。休職は、雇用が続いている状態だからです。一律に「休職中だから対象外」と扱うのは、間違いになります。

減額する場合、根拠は「査定期間のうち、働いていない期間があること」という査定対象期間によるものということを前提にしてください。「休職したこと」は理由にしないでください。

同じ結果に見えますが、意味が違います。前者は計算の結果です。後者は、休んだこと自体への評価になります。後から問われるのは、後者です。

査定期間の全部を休んでいた場合は、不支給に合理性があります。一部でも働いていた場合は、その分を支払う設計にしておく方が安全です。

④ 伝えるタイミング

できれば休職に入る時点で伝えてください。支給が終わってからや、何も伝えないのは避けたいところです。

⑤ 賞与が出た場合の実務

休職中でも賞与が支給される場合、社会保険料が発生します。このとき、たまっている本人負担分を賞与から回収できることがあります。給与が止まっていて回収できずにいる会社にとっては、数少ない機会です。

ただし、控除には本人の同意(または労使協定)が必要です。休職に入る時点で合意しておくのが実務的です。

働く方

賞与は、必ず出るものではありません。

給与と違って、法律で支払いが決まっているものではないからです。会社の規程に書いてあるとおりになります。

休職中でも、対象になることがあります

「支給日に在籍している人に支給する」と決めている会社が多くあります。

休職中でも、あなたは在籍しています。なので対象になる場合があります。金額は減ることが多いですが、ゼロだと決めつけないでください。

確認しておくこと
—次の賞与は対象になるか
—査定の期間はいつからいつまでか
—休職していた期間は、どう扱われるか
—評価は、どうつけられるか

場面 4 / 共通の事実

外出と、周囲の目

療養中に、外に出てはいけないわけではありません。
生活のリズムを戻すことは、回復の一部です。

経営者・人事

「休職中なのに旅行に行っていた」「SNSに写真が上がっていた」。

この種の報告があるかもしれませんが、反応しないでください。

理由は2つあります。ひとつは、外出や気分転換が、医師の指示による場合があるからです。家に閉じこもることが療養ではありません。もうひとつは、それを理由に処分することが、実務上ほとんど成り立たないからです。休職中の私生活は、原則として会社の管理の外にあります。

気になる場合に取るべき対応は、本人を問い詰めることではなく、主治医に状況を確認することです。それから、社内でこの話が広がらないようにしてください。復職したときに、本人が戻りにくくなります。

働く方

家に閉じこもっている必要はありません。

散歩、買い物、生活リズムを整えること。これらは回復過程の一部であり、医師からあえてそう指示されることもあります。ただ、誤解されることがあるのも事実です。取引先や同じ職場の人が見ていることがあります。悪意がなくても、話が広がってしまうかもしれませんので、SNSへの掲出は自重した方がよいかもしれません。

気になるなら、主治医に「どのくらい外出していいですか」と聞いておいてください。指示を受けている、という事実が残ります。

場面 5 / 共通の事実

診断書の更新

診断書には期間が書かれています。
その期間が切れたら、次の診断書が要ります。

経営者・人事

診断書にある期間の管理は、会社がしましょう。初回の傷病手当金の申請以降、診断書を必要とするのは会社だけです。

多くは、休職開始時と復職の時、そして延長に際して必要となります。

延長は珍しくありません。最初の診断書が1ヶ月でも、復職までは1か月では済まないことがよくあります。復職(延長)の届出→発令までの期間を逆算し、休職期間(あるいは満了期間)の前の、いつ頃までに再度診断書をもらうのが適切か、仮の段取りをした上で、本人に伝えるととよいでしょう。

働く方

復職の際にも、延長の際にも診断書が必要となります。会社が指定する提出期限がある場合は、その日程に間に合うように、受診する必要があります。

延長は、珍しいことではありません。最初に1ヶ月と書かれていても、そのとおりにいかないこともあります。会社から「診断書の期間が終わります」と連絡が来ることがあっても、これは催促ではありません。手続き上、必要なだけです。最初の期限だけをみて焦って「戻れます」と回答せず、その都度の医師の診断に従ってください。

場面 6 / 共通の事実

定期連絡

連絡の頻度に、法律の決まりはありません。
事前に決めた方法と頻度で行います。

経営者・人事

休職に入る前の面談で、下記の内容を決めてください。

決めるのは2つだけ。

—誰が連絡するか(直属の上司は避けた方がいい場合があります)
—どのくらいの頻度か(月1回程度が目安)

業務の連絡はしないでください。治療の妨げになります。

予め決めた日時で連絡が取れないときは、間隔を空けて、もう一度連絡してみる。それでも連絡がが付かない場合は、確認しておいた緊急連絡先に確認します。状況が悪化し、本人と連絡が取れない状況になることはありえます。連絡が取れないことで、本人を責めないよう、配慮してください。

そして休職中に定期面談を行った場合は、面談内容を簡単に記録しておきます。
記録に残すのは、病気の詳しい内容ではなく、休職管理に必要な事項です。
現在の療養状況、診断書の提出予定、復職(延長)の見込み、次回連絡日などです。

記録を残す理由は、休職期間中の経過を確認し、復職判断や休職期間満了時の対応を適切に行うため、また、担当者が変わった場合でも、これまでのやり取りを確認できるようにするため必要です。

本人と会社の認識をそろえるためにも、面談後は簡単なメモを残し、必要に応じて本人にも共有しておくと安心です。

働く方

会社からの連絡に、すべて即座に返さなければならないわけではありません。

ただ、まったく返さないと、会社は手続きを進められません。傷病手当金の書類も、休職期間の管理も、連絡が取れないと止まります。現実的なのは、月に1回、短く返すくらいです。

「体調は変わりません」「次の診察は◯日です」。それで足ります。詳しく説明する必要はありません。もし業務の連絡が来た場合は、答えなくて大丈夫です。それは療養の妨げになります。会社側も、本来はしてはいけない連絡です。

返信がつらい時期は、家族に代わってもらってもかまいません。その旨だけ会社に伝えておいてください。

場面 7 / 共通の事実

長引いたとき

予定どおりに戻れないことは、よくあります。
そのこと自体は、問題ではありません。

経営者・人事

長引いてくると、満了日がいよいよ現実味を帯びてきます

満了日までに復職できなかった場合は、自然退職又は解雇となり、休職に入った時点で満了日は決まっています。

① 満了が近いことを、改めて本人に伝えておく

伝えていないと、満了での雇用終了が難しくなります。

② 満了日の2ヶ月ほど前には、復職の話を始める

直前に始めると、判断する時間がありません。

働く方

予定どおりに戻れないことは、珍しくありません。

最初の見込みより長くかかったとしても、遅れていることを失敗だと思わないでください。回復には個人差があります。ただし、休職には終わりの日があります。その日までに戻れないと、退職または解雇の扱いになる会社がほとんどです。

自分の満了日を、把握しておいてください。分からなければ、会社に聞けます。知っていれば、逆算して準備ができます。知らないまま期限が来ると、選択肢がなくなります。

場面 8 / 共通の事実

復職の意思を受け取った時

定期連絡で、復職の意思を確認できたら、復職支援プランを作成します。

経営者・人事

復職支援プランを作成する

復職の意思を確認できたら、復職支援プランを作成します。復職支援プランには、次のような内容を入れます。

—復職予定日
—復職後の勤務時間
—担当業務
—業務量
—残業や出張の制限
—通院への配慮
—上司との面談頻度
—産業医面談の予定
—配慮期間
—通常勤務へ戻す時期
—見直しのタイミング

復職支援プランは、人事だけで作るものではありません。本人、上司、人事、産業医などの意見を踏まえて、現場で実行できる内容にする必要があります。

復職後のフォローまで決めておく

また、復職日を決めて終わりではありません。復職後も、本人の体調、勤怠、業務量、職場での負担などを定期的に確認します。復職直後は、次のようなフォローを行います。

—定期面談を行う
—勤怠を確認する
—業務量を確認する
—残業や出張の再開時期を確認する
—配慮をいつまで続けるかを見直す
—上司から職場での様子を確認する
—必要に応じて産業医面談を行う

資料でも、復職後のフォローアップは再休職を防ぐために重要であり、配慮期間をいつまで継続するかを事前に決めることが示されています。

休職中からフローを決めておくことが大切

復職支援プランが無いと、復職日が決められません。

せっかく復職の意思を受けても、受け入れ態勢ができていないと、現実的な復職が難しくなります。会社側は、復職の申し出があってから慌てて対応するのではなく、休職中から復職に向けた準備を進めておく必要があります。

働く方

復職したいと思ったら

復職したいと思ったら、まず会社にその意思を伝えます。あわせて、主治医に診断書を作成してもらいます。提出期限があるので、注意しましょう。

そのときは、次のようなことを会社に伝えられるようにしておきましょう。

—現在の体調
—睡眠や生活リズム
—通勤できる状態か
—休職前の仕事に戻れそうか
—まだ配慮が必要な仕事があるか
—主治医の診断書の内容

会社は、これらの情報をもとに、復職できる状態かを確認します。

主治医の診断書に「復職可」と書かれていても、それだけで復職が自動的に決まるわけではありません。会社は、実際の仕事に戻って無理なく続けられるか、職場で受け入れられる体制があるかを確認します。

必要に応じて、産業医との面談や、通勤訓練、試し出勤、リハビリ勤務などを行うこともあります。

復職にあたっては、勤務時間、担当する仕事、残業の有無、配慮が必要なことなどを整理し、復職後の働き方を会社と確認します。

復職は、焦って決めるものではありません。今できること、まだ不安なことを正直に伝えながら、無理なく仕事に戻れる形を会社と確認していきましょう。

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試し出勤

試し出勤・リハビリ勤務の管理。試し出勤中の賃金・傷病手当金・事故はどうなるか。

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Author

千葉若菜

千葉若菜 特定社会保険労務士

エンタメ専門社労士事務所 つくる Creative Workforce Support
音楽業界歴20年の社労士

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