WHAT AI CAN DO
AIでできること
AIは会社の魅力そのものを作れません。できるのは、言語化された魅力を、企画、文章、画像、動画、応募者対応へ展開することです。この章は、その準備から実務、始め方までを順に説明します。項目をクリックすると、該当の解説へ移動します。
まず初めに用意する
始め方
準備 ① AIに渡す3つの土台
AIに「採用向けの投稿を考えて」と頼むだけでは、どの会社にも当てはまる内容になります。再現性を持たせるには、次の3つを分けて管理します。
{{ b.no }}
{{ b.title }}
{{ b.desc }}
- {{ item }}
事実が確認できない内容は、AIに補完させません。「不明」「担当者への確認が必要」と出力させます。
この3つが整って初めて、担当者が変わっても同じ基準でAIを使えるようになります。
準備 ② すべての投稿に使う「制作指示書」
AIに直接投稿を作らせる前に、投稿ごとに短い制作指示書を用意します。
CTA(Call To Action)とは「行動喚起」という意味を持ちます。WebサイトやWeb広告から、起こしてほしい行動を誘導することを意味します。
この指示書を共通入力にすると、企画、台本、キャプション、セルフチェックを同じ情報から作れます。
1. 投稿企画を増やす
AIに任せるのは、思いつきを大量に出すことではありません。例えば「求職者の不安」と「会社が持っている一次情報」を組み合わせ、投稿として成立する企画へ展開させます。
企画を作る手順
- 採用したい人物像を決める
- 応募前の不安や疑問を挙げる
- 回答に使える社内情報を紐づける
- 使用できる写真・動画を確認する
- 投稿の型と媒体を選ぶ
- 採用サイトの該当ページへつなげる
指示例
採用対象、求職者の不安、会社の一次情報、現在保有している素材を組み合わせ、採用広報の企画を10案作成してください。
各案について「対象者」「解消する不安」「伝える事実」「必要素材」「投稿形式」「掲載媒体」「CTA」「確認が必要な事項」を表形式で出してください。
提供した情報にない事実は補完せず、「要確認」と記載してください。
企画数だけを増やすのではなく、「実際に撮影・確認・公開できる企画」に限定することが重要です。
2. 制作作業を効率化する(台本・テロップ・キャプションの型)
毎回ゼロから文章を考えると、担当者の負担が増え、投稿の品質も安定しません。投稿の構成を先に決めておけば、AIは同じ型へ異なる一次情報を流し込めます。
{{ types.title }}
{{ types.desc }}
{{ types.stepsLabel }}
- {{ s }}
例
{{ line }}
撮影前に、AIで必要なカットを一覧化できます
{{ types.note }}
型として保存するもの
AIへの指示文だけでなく、過去に社内承認された完成例も一緒に保存します。
3. 投稿前のチェックを補助する
AIは、完成原稿を公開前チェックリストと照合する補助にも使えます。
ただし、AIの「問題ありません」という回答を、そのまま公開承認には使いません。AIには判定だけでなく、根拠と該当箇所を出させます。
チェック結果の出力形式
| 判定 | 該当箇所 | 確認するルール | 理由 | 修正案 |
|---|---|---|---|---|
| OK | 該当文 | 会社の表現基準 | 問題なし | ― |
| 要確認 | 該当文 | 求人条件 | 根拠資料がない | 担当部署へ確認 |
| 修正必要 | 該当文 | 誇張表現 | 断定が強い | 事実に沿った表現へ変更 |
AIで確認できること
- 強すぎる断定や誇張
- 差別的・排他的に受け取られる表現
- 個人への攻撃や不用意な冗談
- 会社のトンマナとのずれ
- 投稿内の条件と求人票の不一致
- 募集主やリンク先の記載漏れ
- 公開情報と社内資料の矛盾
- 個人情報や機密情報の記載
- CTA、UTM、返信担当などの運用漏れ
人が最終確認すること
- 写っている本人の掲載同意
- 写真、動画、音源等の利用権
- 求人条件の正確性
- 社内機密に該当するか
- 現場の実態と表現が一致しているか
- 社会情勢や投稿時期への配慮
- 公開または公開見送りの判断
AIによるチェックは、見落としを減らすための一次確認です。最終承認者と責任の所在は、人の運用として残します。
4. 応募者対応を早くする
SNSから興味を持った人が問い合わせても、返信が遅ければ不安が増します。
ここでは、選考をAIに任せるのではなく、「受け付けたことをすぐに伝える」「担当者へすぐに知らせる」「よくある質問へ早く案内する」ためにAIと自動化を使います。
Googleフォーム→GASによる基本フローが活用しやすい
自動返信に含める内容
- 応募・問い合わせを受け付けたこと
- 受付日時
- 送信内容の控え
- 担当者から連絡する目安
- 今後の流れ
- 緊急時または訂正時の連絡先
- 採用FAQへのリンク
FAQ自動応答に向く質問
- 応募方法
- 募集職種
- 選考の流れ
- 必要書類
- 面接方法
- 勤務地
- 採用サイトに明記されている制度
- 説明会の日程
回答の根拠となるFAQを会社側で管理し、情報が見つからない場合は「採用担当者が確認して回答します」と引き継ぐ設計にします。
5. 画像・動画制作を補助する
採用広報では、AI画像だけで実際の職場や社員を表現すると、入社後の印象とのずれが生じます。
実際の人、仕事、職場環境を伝える部分には、社内で撮影した素材を使います。AIは、説明を補う画像、企画段階のイメージ、図解、背景、構成案などに向いています。
AIに任せやすいもの
制作手順
- 投稿の目的と対象者を決める
- 実写が必要な部分とAIで補える部分を分ける
- 必要なカットを一覧化する
- 撮影・掲載同意を確認する
- 素材を撮影する
- AIで構成、字幕、切り出し案を作る
- 人が事実、権利、違和感を確認する
- 媒体ごとのサイズに調整する
画像生成の指示に含める項目
- 主役となる人物・物
- 場所と背景
- 構図と余白
- 縦・横の比率
- カメラの位置
- 光の方向と時間帯
- 色やトンマナ
- 使用目的
- 入れてはいけない物
- 実在の社員や職場と誤認させない条件
生成した日時、使用したサービス、指示文、編集内容、公開先も記録しておくと、後から制作経緯を確認できます。
6. 一つの素材を複数媒体へ展開する
AI活用で最も効果が出やすいのが、すでにある一次情報の再利用です。例えば、社員への30分のインタビューを一度行えば、次のように展開できます。
再利用の手順
- 元となる動画・音声・議事録を保存する
- 発言を文字起こしする
- 事実、本人の意見、会社の説明を分ける
- 使用できる発言を本人または担当者が確認する
- テーマごとに分類する
- 媒体に合わせて長さと見せ方を変える
- すべての投稿を同じ採用情報へ接続する
文章をそのまま短くするだけでは、媒体に合いません。
YouTubeでは一連の背景を説明し、TikTokやInstagramでは一つの疑問に絞り、Xでは要点とリンクを示します。採用サイトには、比較や応募判断に必要な情報を残します。
始め方 最小構成で始める4週間
WEEK 1
一次情報を整理する
- 採用サイト
- 求人票
- 会社紹介
- 社員インタビュー
- よくある質問
- 写真・動画
- 投稿ガイドライン
AIが参照してよい情報と、使用してはいけない情報を分けます。
WEEK 2
3つの投稿型を作る
- 疑問解決型
- 密着型
- 比較型
それぞれ一つずつ試作し、社内承認を受けます。
WEEK 3
一つの素材を展開する
一つのインタビューや撮影素材から、複数媒体向けの原稿を作ります。媒体ごとの役割と見せ方の違いを確認します。
この更新を繰り返すことで、AIが会社の判断基準に沿った下書きを作りやすくなります。
AIで生成した画像・音楽の権利は、誰のものになるのか
生成AIを使えば、文章、画像、音楽、動画などを短時間で制作できます。
これら、“著作権”というものが付随していたものに対して、AI生成物だけを対象とした新しい著作権制度が完成しているわけではありません。今現在、既存の著作権法をAIにどのように当てはめるかについて、行政機関や権利管理団体が考え方を示している段階です。
◆創作物全般についての文化庁の考え方
文化庁は、「AIと著作権に関する考え方について」の中で、AI生成物が著作物に当たるかどうかは、従来と同じく「人間の思想または感情を創作的に表現したもの」といえるかによって判断されるとしています。
AIそのものは法的な人格を持たないため、AIが著作者になることはありません。AI生成物に著作物性が認められる場合は、AIを道具として使い、実際に創作した人が著作者となります。
人間の創作的な関与が判断材料になる
著作物性は、AIを使ったかどうかだけで一律に決まるものではありません。個々の生成物について、人間がどの程度創作的に関与したかが判断されます。
文化庁は、判断材料として次のような点を挙げています。
一方で、単に長いプロンプトを書いたこと、生成回数が多いこと、複数の候補から一つを選んだことだけでは、当然に創作的寄与が認められるわけではありません。
例えば、「明るいオフィスで笑顔の社員が働いている画像を作って」と入力し、AIが自動的に生成した一枚をそのまま使用した場合、人間の創作的寄与が十分に認められず、その生成物自体が著作権で保護されない可能性があります。
具体的な指示、試行錯誤、修正、加筆等は、人間の創作的寄与を判断する際の要素となり得ます。
ただし、著作物性は個々の生成物について判断されます。
「自分に著作権があるか」と「他人の著作権を侵害していないか」は別問題
AI生成物に自社や制作者の著作権が認められるかという問題と、その生成物が第三者の著作権を侵害していないかという問題は別です。
文化庁は、AI生成物が既存の著作物と類似し、その著作物に依拠していると認められる場合には、AI利用者が元の作品を直接認識していなかったとしても、著作権侵害となり得るとの考え方を示しています。
そのため、企業がAI生成物を公開する場合は、少なくとも次の対応が必要です。
文化庁も、AI生成物を利用する前に既存の著作物との類似性を確認し、プロンプトなどの生成過程を確認できる状態にしておくことが望ましいとしています。
詳しくは、文化庁「AIと著作権について」で確認できます。
◆音楽についてのJASRACの考え方
JASRACは2026年6月、生成AIと著作権に関する方針や取組をまとめた特設ページを公開しました。
AIを利用した楽曲のうち、JASRACは次のような作品を管理対象としています。
人間の創作的寄与が認められる作品
反対に、簡単な指示に基づき、AIが自律的に生成した歌詞や楽曲など、人間の創作的寄与が認められないものは管理対象としていません。
また、AIを利用した作品をJASRACへ届け出る場合、届出を行うクリエイターや音楽出版社には、その作品が人間の創作的寄与によって生まれた著作物であることを保証する義務があります。
つまり、AIで楽曲を出力しただけではなく、
といった点が重要になります。
なお、JASRACは現行法上の作品管理方針を示す一方で、生成AIによる学習利用について、クリエイターが利用の可否を選択できる仕組みなどを求めています。
これは、音楽と生成AIをめぐるルールがすべて確定したという意味ではなく、今後も法律、技術、運用が変化する可能性があることを示しています。
詳しくは、JASRAC「創造のサイクルとの調和がとれたAI利活用の実現に向けて」で確認できます。
◆現時点で共通している大筋の考え方
文化庁とJASRACの考え方に共通しているのは、AIを利用した作品について、人間の創作的な思考や寄与が認められる部分を著作物または管理対象として考える、という点です。
ただし、AIと著作権に関する判例や具体的な事例は、まだ十分に蓄積されていません。文化庁の整理も法的な拘束力を持つものではなく、個別の紛争では最終的に司法判断となります。
「AIを使ったら著作権がなくなる」「プロンプトを書けば必ず自分の著作物になる」と単純化することはできません。
そのため企業は、完成した生成物だけでなく、人間がどのように企画し、指示し、選択し、修正したのかという制作過程も残しておく必要があります。
◆AIの使い方全般についての総務省・経済産業省の考え方
そして、総務省と経済産業省は、AIの開発者、提供者、利用者に向けて「AI事業者ガイドライン」を公表しています。
このガイドラインは著作権だけを扱うものではありません。企業がAIを安全かつ適正に利用するため、次のような共通の考え方を示しています。
重要なのは、AIを利用して作成した場合でも、公開や業務利用についての責任までAIに移るわけではないということです。
企業には、入力する情報、生成結果の確認、利用目的、公開方法、個人情報や機密情報の取扱いなどについて、人が判断する体制が求められます。
採用広報で利用する場合は、例えば次のような社内ルールが必要です。
総務省の案内は、「AI事業者ガイドライン」で確認できます。
◆権利があることと、採用広報に適切であることは別
ここまでの話は、主に「AI生成物の著作権」と「適切な使い方」という観点です。
しかし、採用広報では、もう一つ確認しなければならないことがあります。
その表現が、会社の実態を正しく伝えているか
仮に著作権上の問題がなく、AIサービスの規約上も商用利用が認められていたとしても、実在しない社員や職場を、実在するものとして見せてよいことにはなりません。
AIによって「作ることができるか」という問題と、採用広報として「伝えてよいか」という問題を、一緒にしてはいけません。
◆AIは制作作業をコモディティ化した。しかし、伝える内容まで作らせてはいけない
AIは、文章、画像、音楽、動画など、クリエイティブの制作作業を大幅にコモディティ化しました。
これまで専門家へ依頼しなければ難しかった表現も、短時間で作れるようになっています。
しかし、制作手法と伝える内容を混同してはいけません。
AIは画像を作ることはできますが、それが実際の職場かどうかを保証しません。AIは社員らしい人物を作ることはできますが、その人物が会社で働いた経験を持つわけではありません。AIは魅力的な言葉を作ることはできますが、その制度や働き方が実在するかを判断できません。
AIに任せられるのは「どのように伝えるか」の支援です。
「何を事実として伝えるか」は、会社が責任を持って決めなければなりません。
◆実在しない職場を、実在するように見せない
「さも社内で撮影したような」AI画像・動画はおすすめしません
生成AIを使えば、明るいオフィス、楽しそうに働く社員、活気のある会議風景などを簡単に作れます。
しかし、採用広報で「さも実際の会社であるかのような」画像や動画を掲載することはおすすめしません。
採用におけるSNSは、会社を知ってもらうための広告であると同時に、求人情報を見た求職者が、次のような事実を確かめる場所でもあります。
そこで実在しない社員や職場を見せれば、求職者が確認したい情報に対して、実態のない答えを返すことになり、入社後のミスマッチを防ぐためのSNSが、かえってミスマッチを誘発することになってしまいます。
AIは運用のために使います。例えば、撮影の絵コンテ、テロップ、図解、背景素材、構成案、文章の整理など。社内だけではなかなか難しかったこれらの部分が、AIをうまく使えば、かなりの部分が内製化できるようになるでしょう。
AI導入支援(DX支援)、承ります。
無料相談