1. 「中の人問題」とは何か
SNS担当者個人の感覚、技術、端末、人脈によってアカウントが動いている状態です。例えば、次のような状態が該当します。
2. 専用人材の前に、社内にいる人から「伝えられる内容」を探す
一人の万能なSNS担当者を探すより、それぞれが持つ一次情報を分担して発信する方が、内容に厚みが生まれます。
3. 素材は会社の資産
写真、動画、ロゴ、原稿、編集データは、個人のスマートフォンや個人アカウントに残さず、会社の共有領域へ保存します。保存時には、次の情報も付けます。
「素材がどこにあるか分からない」をなくすことも、継続運用の一部です。
4. 「顔」と「運用」を分ける
顔は一人でも、運用はチームでできる
5. SNS担当者に求められるスキル
すべてを一人で持つ必要はありません。個人に必要な能力と、チームで補う能力を分けます。
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6. 運営体制つくりのヒント
担当者一人の努力ではなく、役割分担と型で回します。
役割分担と主・副担当の設定
チームで廻す 例
投稿管理ツールの活用
基本素材
Canva(無料でSNS画像テンプレ多数)
Googleスプレッドシート(進行管理)
投稿管理
Meta Business Suite(Facebook/Instagram連携)
SocialDog(X特化)
外部リソースを部分的に使う
1000フォロワー獲得までをSNS支援会社へ委託したり、デザインや動画編集の最初の雛形だけを制作会社に依頼するなど、定期的な運用の前段階を外注する。
社員のSNS副業
社員のネット副業は、禁止するより把握できる体制をつくる
企業が採用SNSを始めようとすると、最初に問題になるのが担当者の確保です。
「SNSに詳しい社員がいない」「動画を作れる人がいない」「若い社員に頼んでも引き受けてもらえない」と、担当者探しに四苦八苦する会社も少なくありません。
ところが、社内ではSNSに詳しい人が見つからない一方で、社員が会社に知らせず、個人で数万人のフォロワーを持つ“覆面インフルエンサー”として活動していることがあります。
商品紹介、ゲーム実況、ハンドメイド販売、ライブ配信、動画制作、アフィリエイトなど、会社とは別の場所で、すでに企画・撮影・編集・分析の技能を身につけているかもしれません。
◆社員の副業は、原則として本人の自由
労働時間以外の時間をどのように使うかは、基本的には社員本人の自由です。
そのため、会社が「副業はすべて禁止」「収益のあるSNS活動は禁止」と一律に制限することは、現在の副業・兼業を促進する流れには合いません。
一方で、会社はどのような副業も無条件に認めなければならないわけではありません。厚生労働省のガイドラインでは、例えば次のような場合に、副業を禁止または制限できるとしています。
副業は、その是非を問うのではなく「会社や本人にどのような影響があるか」を確認することです。
◆ネット副業は、会社から見えにくい
他社に雇用される副業とは異なり、インフルエンサー活動は、個人事業や業務委託の形で行われることが多くあります。
インフルエンサー活動は、他社に雇用される副業とは異なり、広告収入、投げ銭、商品の無償提供、アフィリエイト報酬などの他、企業案件の業務委託の形で行われることがあります。
ネット上では匿名でも、投稿内容、撮影場所、制服、社員証、仕事上のエピソードなどから、勤務先が特定される可能性があります。
そのため、会社が把握していないまま活動が続くと、次のような問題を見逃すことがあります。
だからこそ、会社に必要なのは、社員の個人アカウントを監視することではなく、本人から必要な情報を申告してもらえる体制です。
◆「許可するか」より「状況を把握できるか」
副業制度は、単に「許可制」または「届出制」と書くだけでは十分ではありません。
少なくとも、次の事項を確認できるようにします。
1
対象となる副業の業種や内容
公序良俗に反する、または反社会的勢力に関わる事業は、会社の社会的信用を著しく損ないます。副業を制限できる「会社の名誉や信用を損なう行為がある場合」とは、こういうケースを指しますが、その副業の、ネット販売、動画配信、広告収入、アフィリエイト、インフルエンサー活動などが、抵触していないかは、厳しい目で見る必要があります。
2
主な活動時間
副業の曜日、時間帯、月当たりの活動時間を申告してもらい、本業への支障や健康上の問題がないかを確認します。
副業先でも「労働者」として雇用されている場合は、労働時間を通算して管理しなければならないケースがあります。
一方、個人事業主や業務委託としての活動は、原則として労働基準法上の労働時間通算の対象にはなりません。ただし、過重な活動によって本業や健康に影響が出ていないかを確認する必要はあります。
3
定期的な状況確認
届出時に一度確認して終わりではなく、活動内容、時間、健康状態、契約先などに変更がないかを定期的に確認します。
4
情報セキュリティのルール順守の定期確認
会社のパソコン、スマートフォン、メールアドレス、アカウント、画像、資料などを副業に使用しないことを明確にします。
撮影禁止場所、会社名の表示など、会社の事業に応じた具体的な禁止事項を定めるとともに、どのような場合に制限するのかという承認基準も明確にし、上司の感覚に左右されない運用を整えます。
◆インフルエンサー社員を見つけても、会社のSNS担当にしない
社員が個人で高い発信力を持っていると分かれば、「それなら会社のSNSもやってほしい」と考えるかもしれません。しかし、本人の私的な活動と会社の業務は別のものです。
匿名で活動している社員に、アカウント名や本人であることの公表を求めれば、これまで築いてきた活動や私生活を損なう可能性もあります。
会社のSNS運用を依頼する場合は、本人の同意を得たうえで、次の点を整理します。
社員個人のフォロワー数や知名度を、そのまま会社の資産として扱うことはできません。
活用すべきなのは個人アカウントそのものではなく、企画、撮影、編集、文章作成、データ分析など、本人が身につけた技能です。
◆副業を把握することは、社員の能力を知ることでもある
副業には、長時間労働、情報漏えい、競業、信用毀損などのリスクがあります。
しかし、本業では得られない経験を積み、新しい技能や人脈を身につけられるという利点もあります。社員が副業で身につけた能力が、採用広報、商品開発、営業、社内教育などに生かされることもあります。
副業を禁止して表面から見えなくするよりも、相談・届出をしやすくし、会社が状況を継続的に把握できる仕組みを整える。
その方が、リスクを早期に発見できるだけでなく、社内に隠れている能力や経験を知る機会にもなります。
副業を禁止することは原則できません。むしろ、本業では得ることのできない経験値を稼いでもらい、それを本業側に還元する仕組み作りが望ましいです。社内にないスキルやノウハウを身につければ、自社の成長や新規事業に役立てられる可能性があり、それこそが企業にとってもメリットと言えるのではないでしょうか?
参考:厚生労働省「副業・兼業」
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