04 運用ルール|SNS採用ガイド
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SNS採用ガイド / 04 運用ルール

Recruiting SNS — 採用とSNS / CHAPTER 04 運用ルール

その投稿は、会社の言葉として受け取られる。

個人のアカウントなら、親しい人との雑談で済むこともあります。しかし、企業の発信を見るのは、求職者だけではありません。社員やその家族、顧客、取引先など、立場の異なる人が、それぞれの受け止め方をします。

1. この章で確認する5つのこと

投稿の前に考えることを、順番に整理します。それぞれ、採用SNSで実際に起こりやすい例を添えています。

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CASE

{{ p.example }}

2. 公開前に確認する問い

投稿案そのものは悪くなくても、見せ方によって伝わり方が変わります。投稿の前に、右側の問いで確認します。

投稿案
公開前に確認する問い
「新人に大型案件を任せました!」
任せた範囲と支援体制は伝わるか。顧客が見ても誤解しないか
「今日は納期前、全員で深夜まで!」
長時間働くことを称賛する表現になっていないか。普段の働き方と区別できるか
「社員の失敗を大公開!」
本人が断りにくい状況ではないか。公開後の本人や顧客への影響を考えたか
「服装も働く場所も自由!」
対象者や条件は何か。採用サイトの説明と一致しているか
「社内の様子をそのまま撮りました」
背景の画面・書類・会話の音声まで確認したか
「AIで職場のイメージを作りました」
実際のオフィスや社員の写真と誤認されない見せ方になっているか

3. 撮影における注意

撮影後のチェック体制を設けて、防ぎます。

← 2つの観点を切り替えられます

主な注意項目

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{{ item.detail }}

社員には撮影されない、またそれを公表されない権利があります。

肖像権

肖像権は法律に明文で定められた名称ではありませんが、顔や容貌をみだりに撮影・公表されない人格的利益として判例上保護されています。侵害に当たるかは、撮影場所、目的、方法、公開範囲、本人が受ける不利益などを総合して判断されます。企業SNSでは、事前に撮影・掲載目的と媒体を示し、本人の同意を得る運用が安全です。

個人情報

個人情報とは氏名や生年月日など、客観的に個人を特定できる情報のことです。パスポート番号やマイナンバーなどの、番号、記号、符号や、指紋、虹彩、声紋など身体の一部の特徴を電子変換した符号情報も含みます。法律(個人情報保護法)で取扱いのルールも含め、明確に定義されています。

プライバシー権

 私生活や他人に知られたくない事柄など、他人に干渉・公開されない権利や私的な情報私生活上の事実や秘密など、みだりに他人に知られたくない・干渉されたくないという人格的権利を指し、個人情報よりも広い概念を含みます。

安全配慮義務

安全配慮義務とは、使用者(企業)が労働者の生命や身体、心身の健康の安全を確保しつつ働けるよう配慮すべき法的な義務のことです。特定の社員の顔が広く知られることで、ストーカー被害や嫌がらせに発展する場合もあり、企業はそういったことにならないよう、配慮が必要となります。

入社時、または会社SNSの運用開始時に「写真・映像の利用同意書」を取得しましょう。
ただし、あらゆる媒体・目的を一括して許可させる包括的な内容は避け、退職後の取扱い、撤回窓口を明確にします。

4. 「炎上」について

短期的にはネガティブですが、誠実な対応が長期的にはブランド認知に貢献する場合があります。

炎上とは?

たくさんの人から批判や非難が殺到し、話題が大きく広がってしまうこと。元ネタの文脈を知らなくても、面白いネタとして「ネットミーム」化する場合もあります。

リツイートやシェアで拡大する。

炎上の理由

  • 不用意な言葉づかい
  • 事実と違うことを発信
  • 悪ノリ・軽はずみな行動
  • 企業と関係ない個人の主張

発信が「誰かのため」になっているか。「言われて嬉しい内容」か。「誰かを傷つけ(否定し)ない」か。

炎上を防ぐ

  • 投稿前に「第三者の目」
  • NGワードや話題に注意
  • 炎上が起きたらすぐに対応

リカバリー力の高さが、逆にブランドの強さとして映る。

5. 「会社の言葉として受け取られる」ことを前提に、基本ルールと決めます。

内容の正確性:求人条件・制度・数値は、最新情報と照合してから掲載する
投稿前の承認:担当者だけで判断せず、指定された承認者の確認を受ける
権利・個人情報の確認:出演同意を取得し、画像・フォント・音源は商用利用可能な素材に限定する
表現基準の統一:差別・揶揄・過度な誇張・担当者個人の政治的主張などは発信しない
投稿後の対応:コメント・DM・訂正・削除は、担当者と対応期限を事前に決めておく
社労士メモ SNS × 法解説コラム SOCIAL INSURANCE & LABOR
執筆:千葉若菜(特定社会保険労務士) 最終更新:2026年9月16日 根拠:労働基準法 第32条(労働時間)

「つながらない権利」と労働時間

SNSは、勤務時間に関係なく閲覧されます。夜間や休日にもコメントやDMが届き、ときには炎上などへの緊急対応が必要になることもあります。しかし、企業のSNSアカウントが常に動いていることと、担当者が常に対応しなければならないことは別の問題です。

SNS運用にも、「誰が、いつ、どこまで対応するのか」という労務管理上の線引きが必要です。

◆労働時間を決めるのは「指揮命令下」にあるか

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。

実際に作業をしている時間だけでなく、指示があればすぐに業務を始めなければならず、その時間を自由に利用できない「手待ち時間」なども、労働時間に該当します。

「指揮命令下」とは、会社の明示または黙示の指示・管理によって、労働者が業務に従事している状態です。労働時間に該当するかどうかは、会社が「残業を命じていない」と考えているかではなく、実際の働き方から客観的に判断されます。使用者の明示または黙示の指示による業務は、労働時間に当たるとされています。

◆デジタルツールが仕事と私生活の境界を曖昧にする

メール、チャット、SNSの登場により、職場にいなくても仕事ができるようになりました。一方で、労働時間と私生活の境界は見えにくくなっています。

勤務時間外に業務連絡が届いただけで、直ちにその時間すべてが労働時間になるわけではありません。しかし、例えば次のような状況では、実際の確認・返信や対応に要した時間が労働時間と判断される可能性があります。

—上司から勤務時間外の返信を求められている
—すぐにコメントやDMを確認することが期待されている
—返信しないと注意や低い評価を受ける
—炎上や苦情に備えて、常にSNSを監視している
—通知を確認し、そのまま投稿の修正や顧客対応をしている
—休日でもすぐに対応できる状態でいるよう指示されている

「数分確認しただけ」「スマートフォンで返信しただけ」であっても、会社の指示による業務であれば、勤務場所や作業時間の短さだけで労働時間から除外することはできません。

◆労働時間の判断と「つながらない権利」は表裏の関係

労働時間のルールは、勤務時間外に実際に行った業務を適切に把握し、記録・管理するためのものです。これに対して「つながらない権利」は、そもそも仕事が私生活へ無制限に入り込まないよう、連絡や対応の境界を設ける考え方です。

労働時間管理が「発生した仕事を正しく扱うためのルール」であるのに対し、つながらない権利は「勤務時間外に仕事を発生させない、または限定するためのルール」です。

「つながらない権利」とは

勤務時間外や休日に、仕事上の電話、メール、チャット、SNSなどを確認・返信しないことを選び、そのことを理由に不利益な取扱いを受けないという考え方です。すでに施行されている国もありますが、日本ではまだ施行されてはいません。ですが、現在行われている労働基準法制の見直しにおける、重要な検討論点の一つとなっています。

海外の制度や議論として、主に次の内容が紹介されています。

—権利を行使したことによる不利益取扱いの禁止
—使用者が労働者へ連絡できる時間帯の明確化・制限
—「つながらない状態」を確保する措置
—社内ルールについて労使で協議する仕組み

日本での検討においては、業種や職務によって必要な対応が異なることから、勤務時間外にどのような連絡を許容し、どこから拒否できるのかを労使で話し合い、社内ルールとして定めることや、そのためのガイドラインを設けることが論点となっています。

◆SNS運用で決めておきたい時間外対応ルール

企業SNSでは、「担当者が気づいたら対応する」という運用を避け、少なくとも、現時点の労基法に準拠した考えに基づき、次の事項を決めておく必要があります。

通常の対応時間

コメントやDMを確認する曜日・時間帯を決めます。

プロフィール欄や自動返信にも、「お問い合わせは翌営業日以降に確認します」などと表示しておくと、利用者側の期待も調整できます。

緊急対応の範囲

炎上、個人情報の流出、誤投稿など、勤務時間外でも対応が必要となる事案を限定します。

単なる質問や通常の苦情まで、すべて緊急対応に含めないことが重要です。

対応する担当者

一人のSNS担当者へ連絡が集中しないよう、当番制や管理職へのエスカレーションルートを設けます。時間外対応を求める場合は、その対応時間を記録し、労働時間として適切に扱う仕組みも必要です。

返信期限

「すぐに返す」ではなく、「翌営業日中」「24時間以内」など、業務としての期限を具体的に決めます。

予約投稿や自動返信を活用すれば、担当者が常時待機しなくてもアカウントを運用できます。

時間外に返信しないことへの取扱い

通常の勤務時間外に連絡を確認・返信しなかったことを理由として、担当者を注意したり、人事評価で不利益に扱ったりしないことを明確にします。

この考え方は、顧客からのコメントやDMだけではありません。上司や同僚からのメール、チャット、個人のSNSアカウントへの連絡についても同様です。

◆アカウントの稼働時間と、人の労働時間は、分けて考える

SNSは24時間動き続けます。しかし、そこで働く人まで24時間つながり続ける必要はありません。企業が決めるべきなのは、「担当者の責任感に任せること」ではなく、通常対応と緊急対応の境界、対応時間、当番、記録方法、翌営業日へ回してよい連絡の範囲です。

この「つながらない権利」の壁になるのが、個人スマホ(BYOD:Bring Your Own Device)での業務連絡です。物理的につながってしまう問題が解消できない。本来は全社員への業務用スマホの全配布が理想ですが、そうもいかない場合、個人スマホへのクラウド型PBX(Private Branch Exchange)の導入で、このかなりの部分は解消できます。

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本ページの内容は一般的な情報であり、個別の事案への助言ではありません。

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